Stuck On 蒼い春のドギマギ。
大分市都町・白銀ビルの4階。
ドアを開けると、
そこは、蒼い春の夜。
独りでいられなくなったのは、
いつからだろう。
そうだ。○×○に出逢ってからだ。
EP01「ポーカーゲーム」
「あれ? この客、なんかヤバくね?」
いや、その筋の人とか、そんなヤバさじゃなくて。
正直、すげえ好みなんですけど。俺、○○年生まれ。
この年、ジョン・レノンが、イマジンって歌を歌い始めて以来、
俺の妄想人生が産声を上げたわけだ。
中央町でやってたストリート系の洋服屋閉めて、このBAR Stuck Onを始めたのは、当時大好きだったBarがあってさ。
なんか毎日、服着せるより、まっぱの付き合いした方が、気持ち良くねぇか?って気付いたからか。とにかく毎日、ペダル漕ぎながら、風切って都町に通うのが楽しくてしょうがない。
それはそれとして、今、午前2時。この時間、独りで知らない店に来る女。
なんかあるよなあ。何だろ。
しかし、似てる。優香にそっくり。
てことは・・・・声、かけていいよな、俺。
ピンヒールの踵を響かせ、女は一番奥のカウンター席に座った。
Stuck Onのキャラクターカラーにマッチした、クールブルーの
フラワープリントのバッグ。
女は静かに、メンソールケースを取り出し、慣れた手つきでピンクラメの唇にくわえる。
そしてプラチナゴールドのZIPPOを、片手で操り、火をつけた。

優香似だけど、振りはクールだよな。
マズいよ、俺にも、火ついちゃったじゃないか。
「マスター、ウォッカマティーニちょうだい。シェイクしてね。」
いきなりジェームズ・ボンドですか? 心臓、一撃。
油断してたら本音、スパイされそうでこえーな、おい。
俺、KENKEN、無心にウォッカ・マティーニを振る。
カチャカチャカチャ・・・
RIHANNAの甘いヴォイスとシェイカー、30秒のジャムセッション。
ショートグラスに注ぐ手元が震えないように、ちょっぴり踏ん張りながら
彼女をチラ見る。
初めてですよね? 待ち合わせですか?
格好わるっ! 死んでも言えねえ。
目深に被ったキャップ。
瞳覗かれたら、石にされてしまうぞ、俺。
「ありがとう」
グラスを手元に引き寄せると、女は、何か見透かしたのか?
口元にほんのり微笑を漂わせ、瞼を閉じたまま、一気に飲み干した。
「ぷはーーーーー! ちょっと、マスター、聞いてくれる?
知ってるバーとかじゃ話せないからぁ、思い切って入ったんだけどね!
もう最悪な男に引っかかっちゃってさぁぁぁぁ・・・・」
えっ?? もしもし? 俺の優香は? クールな女ボンドは?
必然、朝までつき合うコース決定。
やれやれ、込み入った事情黙らせるには、ポーカーゲームに限る。
to be continued


白銀クラブって?